カラル遺跡 1.54

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カラル遺跡 カラル遺跡 is a well known place listed as Landmark in -NA- , History Museum in -NA- , Archaeological Service in -NA- ,

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カラル ないしカラル=スーペ は古代アンデス文明の遺跡で、2009年にユネスコの世界遺産リストに登録された。ペルーの首都リマの北方およそ200 km に位置するリマ県バランカ郡のスーペ谷に残る大規模な遺跡で、研究者たちの中にはアメリカ大陸最古の都市遺跡と評する者もいる。その評価は完全に定まっているわけではないが、アンデス文明の中でも、カラル文化とも(Norte Chico civilization)とも呼ばれる時期の文化の担い手たちの遺跡として、研究が積み重ねられている。概要カラルに定住者がいたのは紀元前3000年頃から前2000年頃のことで、60 ha以上の広さがあった。カラルが栄えていた時期は、日本人研究者によるアンデス文明の時期区分では「形成期」の早期に位置付けられている。従来その時期は「古期」の後期から末期とされていたが、カラル遺跡やその周辺での神殿の発見が、形成期の始期を遡らせる一因となった。ルート・シャディ (Ruth Shady, ルトゥ・シャディ) を中心とする発掘者たちは、カラルで大神殿だけでなく多数の住居跡も発見されていることから、南北アメリカ大陸で最古の都市機能を持つ中心部と主張している。周辺からは同様の遺跡も発見されているが、カラルは3000人以上を収容できたと考えられており、ノルテ・チコ期の発見されている遺跡の中では最大級であると同時に、積極的な研究が進められている遺跡である。発見された神殿には、コトシュ遺跡を中心とするいわゆる「コトシュ宗教伝統」に属するものもあるが、規模の面でコトシュを凌駕し、推測される社会的成熟度の面でも、より後の時代のものと同等とされる。カラルはスーペ川流域に発達し、その河口から25 - 30 km ほどに位置している。川沿いの地域を中心にアボカド、インゲン豆、カボチャ、サツマイモ、トウガラシ、トウモロコシなどが発見されており、食糧の一部を農業によって確保していたことが確実視されている。また、ワタも栽培されており、布作りなどに利用されていた。その一方でイワシなどの魚介類も発見されており、沿岸部のアスペロ遺跡をはじめとする類似の神殿遺跡群が残る地域とも交易を行なっていたらしい。また、内陸ではアマゾン川周辺との交易の痕跡も指摘されている。シャディは、カラルがノルテ・チコ文化の中心地であり、それ自体が沿岸部やより奥地の文化圏と交易によって結ばれる形で、より広い文化圏に属していると考えている。