黒石 1.52

Mecca,
Saudi Arabia

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黒石(くろいし、الحجر الأسود 、al-Hajar-ul-Aswad)は、英語ではBlack Stone(ブラックストーン)とも呼ばれており、これはイスラム教の伝承によればアダムとイヴの時代にまで遡るというムスリムの聖宝である。テクタイトもしくは隕石であるとも考えられている。サウジアラビアのメッカに所在する大モスクであるマスジド・ハラームの中央に位置し、世界のムスリムがその方角を向いて祈る古代の聖なる石造建築、カアバの東隅に据えられた要石である。黒石の直径はおよそ30センチメートル、地面からの高さは1.5メートルである。巡礼者たちは、ハッジの儀式の一環としてカアバの周囲を回る。このとき、巡礼たちの多くは可能ならば、足を止めて黒石に7度接吻しようと試みる。イスラムの伝承によれば、預言者ムハンマドはかつてそうしたとされている。巡礼者たちは、黒石に触れることができない場合、カアバを7度回るたびに黒石を指差す。中世に受けた損傷のために黒石は割れていくつかの破片となっている。破片は銀の枠によってまとめられており、銀の鋲で固定されている。起源と歴史イスラムの観点からイスラムの伝承では、黒石は、どこに祭壇を築き神に犠牲を捧げれば良いのかをアダムとイヴに示すため、天国から降って来たものであると伝えられている。祭壇は地上で最初の寺院となった。石は最初は目映く輝く純粋な白であったのだが、長年に亘り人々の罪業を吸収し続けたために黒くなってしまったのだという。伝承は、アダムの祭壇と石は大洪水で失われ一度忘れ去られたのだとしている。大天使ガブリエルがその在処をアブラハムに示し、黒石とアダムの祭壇の場所は再発見された。アブラハムは息子イシュマエル(ムハンマドの祖先)に、石を埋め込むための新しい寺院を建設するよう命じた。この新しい寺院がメッカのカアバである。ムハンマドは黒石の歴史で重要な役割を演じたとされている。最初の預言的啓示を受ける以前の602年、ムハンマドはカアバを再建中のメッカに建造した。新しい建物を建設している間、黒石は一時的に別の場所に移されていた。の『』(アルフレッド・ギヨームが再構成、翻訳)に伝えられる内容によると、ムハンマドは、どの部族が黒石をカアバに据えるかでメッカの部族間に起きていた争いを和解させた。解決方法は、黒石を布に載せ、全ての族長がこれを持ち上げて運び、ムハンマドが自分の手で所定の位置に収めるというものであった。