鎌倉 御代川 3.16

昭和２４年、戦後間もなく小さな料理屋を開き、後に東京の赤坂見附において高級料理店を開店いたしました。
　創業者であります、御代川鯉之助は戦前、当時では関東で最も高級な料理店として有名だった「新喜楽」の最年少の料理長をしておりました。
　内閣官邸に出張料理に出かけることも度々ありました。料理界では五本の指に入る名料理人であり「煮物の神様」と呼ばれていました。
　料理店を開店した当時におきましては、その味と腕に引かれましたお客様により大変繁盛いたしました。
　歴代総理大臣、政界官僚の方々。三菱（重工、商事、地所）竹中工務店・大成建設その他一流建設会社などの財界の方々。川端康成などの文化人、棟方志功、福王寺法林、奥村土牛、前田青邨、岩橋永遠などの画家、その他有名な方々のご贔屓を頂いておりました。

　東京で１０店近く店舗を営業いたしましたが、料理人としての最重要な相方「女将」つまり創業者の妻が病に伏し、前田青邨のお薦めで空気のきれいな鎌倉の地に移転してまいりました。この地に料理店を開店させ現在に至っております。