暮らしの畑屋 のおと 3.05

4.8 star(s) from 6 votes
川上町3334-1
Kagoshima-shi, Kagoshima 8920875
Japan

About 暮らしの畑屋 のおと

Contact Details & Working Hours

Details

はじめまして。
暮らしの畑屋のおとの
「そーやん」こと橋口創也です。

畑を仕事場に選んで7年目。
鹿児島市で妻と子供2人(3歳と1歳)の4人で暮らしています。農家ではない一般の方々に、畑作りを教えることを通して、自然とともに楽しく豊かに暮らすライフスタイルを広めていく活動をしています。


私の両親は農家で、35年前に脱サラし、
以来鹿児島市において無農薬で
お米や野菜の生産を行っています。

実は私が子供のころは、
家が農家だということが田舎臭くて恥ずかしく、
農家にだけはなるまいと思っていました。

そして大学進学とともに都会に出たものの、
しだいに不自然な都会生活での
息苦しさやストレスを強く感じるようになり、
やはり将来家族をもって、子育てをするなら
自然の多いところがいいなと強く思うようになりました。
そしてだんだんと農にも興味を持つようになり、
たまに実家に帰るときに畑を手伝うようになりました。


実際に畑に立ってみると、
たくさん汗をかいたり、爽やかな風を感じたり、
素敵な鳥の鳴き声を聞いたりする時間が
とても気持ち良くて、
いつしか畑を職場にしたいと思うようになりました。

それと同時にもっと多くの人が、
日常的にこういう体験ができたら良いのになあ、
この気持ち良さを人と共有したいなぁと強く思いました。
ストレスを抱えた人の多い現代社会には、
とても必要なことだと感じたのです。

その時の想いは今の活動の原点にもなっています。


ちょうどその頃、自然農との出会いがありました。
自然農とは、自然の仕組みや流れに沿って
畑づくりを行うやり方です。
実際にそれをやっている畑に行ってみると、
そこは今まで知っていた畑とはまったく違いました。

いろんな生き物が共存し合い、
その中で野菜が生き生きと育ち、
けっして放任ではなく、
きちんと美しく手入れされていました。

すごくきれいだなあと思ったし、
何よりもとても居心地がよかったのです。


両親の有機農家で1年、
そして自然農の農家で1年、研修を積みました。


鹿児島へ戻ってきた就農当初は、
自然農で野菜をそだてて消費者の方々へお届けする
という生産販売をメインの事業として行っていました。


しかし、生産販売を続けていくうちに、
様々なジレンマにぶつかることになりました。

生産販売をおこなっていく上で、
売り上げを上げるために生産面積を広げたり、
生産効率を上げていこうとすると、
どうしても、本来自分たちが感じていた
畑の良さや魅力が
どんどん失われていくことに気がついたのです。


わたしたちが畑に求めていたのは、
自然の中で心地よく過ごすことや、
小さい面積の中でも
ひとつひとつの野菜や植物とじっくり向き合い楽しむこと、
そして、その野菜たちの個性や変化を楽しむことであり、
それは一流の農家としての方向性と同じではありませんでした。​


そこであらためて
「農業としての畑づくり」と
「暮らしのための畑づくり」は違うんだ
ということに気づかされたのです。

一流の農家として売れる野菜を作ることは
プロフェッショナルとして敷居が高いけれども、
暮らしのための畑であれば、
見た目や規格を気にしなくても良いですし、
食べる分だけで良いので少ない面積で事足ります。


わたしたちは
自分たちが野菜を作って誰かに届けることよりも、
自分たちが心地よいと感じる「暮らしのための畑づくり」を
広く提案していこうと決心しました。


そして今、
「効率良くたくさんの野菜を作ること」だけではなく、
「自然とともに豊かに暮らすこと」に価値観をおいた畑を
みんながそれぞれで作ることを提案しています。


現在のメインの事業である「畑の寺子屋」では、
すでにそこにある自然の働きや仕組み、
そして野菜が本来もっている生命力を最大限に活かして
野菜を育てる方法をお伝えしています。

自然の仕組みや野菜のもつ生命力を活かすことで、
病気や虫がつきにくくなり、
外から購入しなければならない肥料や農薬、
化石燃料などに依存しなくても野菜が育つようになります。

いろんな生き物たちを育む暮らしのための畑は、
日々の楽しみや喜び、驚き、悲しみ、安心感、
開放感、心地よさ、遊び、健康、知恵など、
様々なものをあたえてくれる
素晴らしい人生のパートナーになってくれます。


実際に、
これまで畑に足を運んでくださった参加者の方々は、
「青空のもとで体を動すことができていい機会だ」
「子供たちをのびのび遊ばせられて嬉しい」
「ここに来るとリフレッシュできて元気になれるんです」
など、
畑で過ごす心地よさ、楽しさを体感してくださっています。


 「子供が野菜をばくばく食べるようになりました」、
「あれだけ大嫌いだった虫を触れるようになりました」、
「せっかく作った野菜がタヌキに食べられてしまい
とても悲しかった」、
「スーパーにならぶ野菜が安いと感じるようになった」
といった、
参加者方々の内側の変化を教えていただくこともあります。

また、畑を中心に一週間の生活を組み立てるようになったという方、
野菜の小さな芽を見るのが楽しみで出勤前に5分だけ畑に立ち寄る方、
受講されたあとにご自身で畑を始められた方など、
暮らしの中に畑を置く体験をしたことで
実際のライフスタイルが変わった方をたくさん目の当たりにし、
畑というものがもつ潜在的なパワー(影響力)に驚かされます。
自然の仕組みってよくできていて面白いですね、
という感想をいただくときはとても嬉しいです。


わたしたちは、ひとりでも多くの人に、
畑作りをとおして、日々の暮らしの中で
自然とつながる気持ちよさや面白さを感じてもらいたい、
そしてそれがご自身の安心感や自尊心を高めることに
つながってほしい、
ひいては自然と人が調和した社会を作っていきたい
という思いで、
これからも活動を続けていきます!


読んでくださって、ありがとうございます。
暮らしの畑屋のおとを、今後もどうぞよろしくお願いします。